読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

はてなブログのお題に応えるブログ

はてなブログで毎週出されているお題に応えるためのブログ。

思い出いっぱいの店『鳥園』にまた行きたい

お店・レストラン

「行ってみたいお店・レストラン」by みんなのごはん
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/gnavi201512

 

現在は大阪在住だけど、いつも機会があれば行きたいと思っているのが岩手県盛岡市にある『鳥園』だ。『鳥園』は盛岡市の青山というエリアにある。なんだか東京の青山を連想しておしゃれなエリアな気がしてしまうが、ちょっと駅が近いくらいで一般的な盛岡の街並みである。

 

tabelog.com

今ではすっかり盛岡で有名な人気店になっているお店だが、私が通っていた頃は地元の人が集まる小さな居酒屋、という位置づけだった。

 

 

『鳥園』を初めて訪れたのは2003年の冬ごろ。もう12年も前になる。その年、新卒採用で営業として入社した私は、盛岡に新店舗ができるということで、研修後に配属されていた高知の店舗から、夏の終わりには盛岡に異動することになった。

 

出身地の福岡からも遠く、当然親戚や友人もいない生活が始まった。シフト制で不規則な生活、盛岡生活に落ち着くころには寒さが増して外に出るのが億劫だったということもあり、仕事から帰った後の時間は当時流行っていたオンラインゲームに費やすことがほとんどだった。

 

しかし、ある日、オンラインゲーム内の友人が盛岡の青山付近出身で、『鳥園』というお店がおすすめだと教えてくれた。ネットで場所を調べたところ、自宅から徒歩10分の距離だったので、数日後に早速行ってみた。

 

お店の入口の右手には焼き鳥を焼くためのボックスが見える。お店に入ると、右手に8人掛けくらいのカウンター。左手に4人掛けのボックス席が3つ。どうやら奥の離れのようなところで宴会もできるらしい。見るからに地元の方々で埋まっている人気店だった。

 

お店は大将と年配の女性3人で回していた。女性のうちの1人は大将のお母さんで、私が訪れる直前に旦那さん(元大将)が亡くなり、息子さんが継いだのだと言う。大将は威勢のいい声で年上の女性にテキパキと支持を出す。見ていて爽快だ。

 

カウンターに座ってメニューを見ると、何もかもが驚くほど安かった。焼き鳥が100円前後、一品料理も300~400円。刺身の盛り合わせでも1000円しなかったように思う。そして、どの料理もよい素材を使っており、20代半ばの私でもそのおいしさがよくわかるものばかりだった。私は九州の料理はかなりおいしいと今でも思っているが、このお店で東北の素材には勝てないと思い知らされた。

 

初めて行った時は、おすすめを伺って、焼き鳥数本と刺身の盛り合わせを頼んだと思う。しかし、食べているそばから「これサービス」と言って、大将が一口分の料理を2つ3つ出してくれた。まだまだ働き始めでお金もない自分にはこれがありがたかった。初回のサービスというわけではなく、その後行くたびに何かしらサービス品を出してくれた。

 

『鳥園』で頼んで忘れられないメニューが「つくね」と「つぶ貝」、そして食後に出してくれたサービスの「バニラアイスのエスプレッソ掛け」。

 

つくねは大将が閉店間際に翌日の分を仕込んでいるのを見て注文したのだが、タレとタネの相性が抜群だった。それまでつくねを注文して食べることはなかった私が、以降はつくねのある店では必ず注文するようになるほど好きになるきっかけを作ってくれた。まだあの味を超えるつくねには出会っていない。

 

つぶ貝はここで初めて食べたのだが、コリコリした食感と、明らかに「甘い」と感じる新鮮さに衝撃を受けた。コリコリするつぶ貝もこの店以外でほとんど口にしたことがない。

 

そしてバニラアイスのエスプレッソ掛けは東京で働いていたという大将が持ち込んだ、おしゃれなメニュー外デザートだった。常連になって閉店までいると出してくれるようになった(笑)

 

そうやって通っているある日、いつも通りカウンターに座って飲んでいると、大将が「みんな同い年だと思うよ」と声をかけてカウンターの面々を指した。私の左側の席には若い女性が2人楽し気に飲んでいて、どうやらこの3人が同い年ということらしい。その女性たちも常連とのことだったが、初めて会った。

 

大将が声をかけてくれたきっかけもあって、その日の飲みは3人で和気あいあい。私が入れた焼酎のボトルは、ほぼ女性のうちの1人によって一気に空けられた。実はこの女性が、今の私の妻である。

 

6年前に結婚する際は改めて2人で挨拶をしに行ったのだが、そのころには人気店過ぎて容易に入れなくなっていた。お店も改装して広くなっていたし、若い従業員も3人ほど働いていたが、大将は昔のまま、威勢のいい声でみんなに指示を出していた。

 

「3番テーブルさん、刺し盛り4人前!」

 

またあの声を聴きながら焼酎を傾けたい。